染織あれこれ(34)
バランス良い“勢いの白波”−東納谷町会−
山車幕 《ろ》

●あたらしい山車でバカ面を踊る子ども達
■水引き腰の飾り幕(綿100%) 13/7/14 
 船橋・漁師町(湊町)のお祭りは船橋大神宮八剱神社祭礼。今年は三年に一度の本祭り。大いに賑わった。
 

 我が地元・本町は、1丁目から5丁目の「通り五町」が順番に「年番」を務め、毎年の執行。船橋市の産業まつり(市民祭り)と同時に行う。

 湊町も市民祭りに参加はするが、「祭りは神事が基本。市民祭り?、あれは″フェアー〃だ、フェステバルだー」―と、言いながら、「〃一夏に二度〃おいしい」お祭りを楽しむ。

 若い衆たちは巴の付いた「ゆすり襦袢」を着て、ゴム底の「はだし足袋」、白の半股引で御輿渡御を行うが、「祭り衣装」は自前で準備が本来。

 町会のお揃い浴衣や連中の絆天、手拭いに巾着と、皆さん諸々の支度に凝って「独自の柄」や〃印〃を染める。お陰さまで今年も沢山の注文を戴いた。

 大きなものでは湊町・第五自治会さんの「山車幕」を作る機会に恵まれた。
 ″第五″は別名・東納谷=ひがしなやの呼称の町会で、百二十世帯。小ぢんまりしていて纏まりが良い。
 会長は滝口友治さん、「重誠」さんの屋号で親しまれる。同町会、今年は衆議一決、山車を新造された。

 棟梁は日の出町会の二幸建設・鳥居幸重さん。四輪山車で二層屋根、長(おさ)欄間を施したヒノキ造り。
 装飾に京都・祇園の赤い提灯をつけた。都踊りでおなじみの赤地に白い団子が八つ染め抜かれた『祇園団子』。夜になると明かりが灯り白木に映えて美しい。

 湊町はバカ面を山車の上で踊る。正面幕が大きいと顔が見えにくく、扱いは町会によって違うが演技の時には外す場合もある。横幕、見送り幕も同様。

 東納谷はこれらに気を払い、全体のバランスを考えて「腰の水引幕」を大事にされた。

 三年前には、深い水色で勢いのある波柄を「刷毛引き」で染めたが、今年は『反応本染め』で同じ柄とした。
 新たに「木札」の柄に町会名、年号などを江戸文字でデザイン、色は〃こっくり〃とした明るい群青で白波を一層引き立てた。

 県内では佐原、成田、房州の屋台・山車の「天幕」や「羅紗の刺繍幕」が有名。 今も千倉からご相談があるが力の入った今回、当社のマスコット・勝川春好の『暫』を入れさせて戴いた。

船橋市民新聞 2001年 8/1発行 第34号