染織あれこれ(57)
 「粋」と「威勢」
「祭衣装(まつりいしょう)」 《い》

●「ゆすり込み仕度」の神輿と若衆頭 15/7/27
『山王や 神田明神 南北の 江戸を鎮めの夏祭り』……長唄・雨の四季…

 神田、浅草、鳥越神社から始まった夏祭り。今年も全国で盛り上がった。

 船橋・本町のお神輿さんが「ふなばし市民まつり」の中で渡御するようになって久しい。交通事情などもあろうが、メインでないのがチョッピリ寂しい。

 例年、七月になると、京都のお取引き先から「〜十七日は祇園祭のため、臨時休業〜」の案内が届く。「伝統的な祭」が生き生きしているところは《まち》に温もりと勢いが感じられる。

 千古の都とまで行かなくても『歴史と伝統』を大切にして、本町神輿を復興させよう。−−。と、今年、「本町みこし会」(佐藤清貴会長)が結成された。

 船橋本町の神輿は二本棒で渡御は静かだが、「ゆすり込み」と呼ぶモミ方は荒々しい。上下に揺らすのではなく、独特、左右に揺らすから"ゆすり込み"。

 担ぎ手の衣装は白装束。と言っても山武や房州地方で多く見られる、白い狩衣の「白丁」スタイルではない。晒襦袢に半股引だ。

 晒した白木綿を襦袢に仕立て、注染で染めた紺色の【左三巴】の紋を背中に一つ。とても、清々しく、あっさりした仕度。

 夏場だけに白の半だこ(半股引)を履き足もとはゴム底の祭り足袋。あっさりしすぎて、帯と巾着ぐらいは楽しみたいと平絎(ひらぐけ)の染め帯が人気。

 当番町会では貸出し用に襦袢を用意。「祭は手弁当が本来だが、まずミコシに触ってもらって関心を…」と話すのは小宮進・みこし会事務局長。評判は上々。

 丑年と未年に行う「三山の七年祭」は十一月の秋祭り。集う神社は九社。図柄はそれぞれだが鯉口シャツに紺長股引、腹掛けに半天。秋空に良く似合う衣装。

 五百五十年続く伝統祭禮。メインは神揃い場に神輿の勢揃い。この時は、所狭しと"勇みの伊達姿"も勢揃い。祭り仕度は「粋」と「威勢」が何より。

(つるや伊藤・伊藤吉之助)

船橋市民新聞 2003年 8/20発行 第57号