染織あれこれ(30)
用途広く“檄文”に知恵

「横断幕」(おうだんまく)

《い》

伊藤 吉之助(つるや伊藤)

市船・短距離の横断幕
加工=刷毛引き手捺染 生地=9A(木綿)
サイズ=175cm×15m 13/3/3

 三月、順天堂大学の箱根駅伝優勝祝賀会に品川のホテルに出かけた。七十七回の歴史と伝統の駅伝競走だが新世紀を飾る″逆転の順大″優勝。平成十二年度「学生陸上・四冠制覇」の偉業合わせてのお祝いは参会者九百人と盛会。

 会場には校旗とともに陸上競技部チームカラーの紫の大旗。そして『インターカレッジ・出雲・全日本・箱根駅伝』″4冠″大快挙!の「横断幕」が張り出され、雰囲気を大いに盛り上げる。

 「横断幕」はスポーツ大会に出番が多い。競技のスタート、ゴールなどの目印。式典のタイトル。思い思いのコメントや″檄(げき)″を表す「幕」は応援の花形。柔、剣道やバレーボール、バスケット等の室内競技場でも活躍する。

 よく「規格のサイズがあるのですか?」と問い合わせを受けるが、横断幕や懸垂幕は旗と違い決まったサイズはない。ただし、制作に都合の良い″経済サイズ″はある。取付けに制約がなければこの経済サイズが、お勧めだ。

 幅1mがご希望なら、ヤール幅の約90cm生地を使用、布幅いっぱいに仕上げると87cm程度となる。周囲に補強材を縫い込むからだ。長さは幾らでもできるが、幅寸法は布幅いっぱいが経済的。大きな幕は二巾や三巾にはぎ合わせて使用。逆に小さな幕は半巾に欠き落として使用する。

 商業宣伝、イベントの演出幕。交通安全、選挙の告知・啓発から競馬やオート、サッカーの応援。近頃は「マンション建設反対」の意志表示と、横断幕の用途は広い。目的はそれぞれ違うがアピールの文句や標語に知恵を絞る。

 ところでスローガンも進化する。市立船高・陸上短距離の横断幕は平成三年に『疾風先勝』の標語を創案。実績挙げて『疾風見参』に育ち今年は『疾風王道』と発展した。このほど、三年生を送る会で″王道″が宣言された。卒業生には順大に進む者あり、新二年生に国体・少年Bで第一位 の有望選手もいるという。  「市船・短距離」スローガンのとおり、王道進んで『日本一』を目指せ。頑張れ! 

船橋市民新聞 2001年4/1発行 第30号