染織あれこれ(44)
遊び心とセッション
「手拭」てぬぐい 《は》

●右端が「かまわぬ」、中央「カゴメ」柄
後方は池の金魚の“猫除け”かご
▲平成14年5月  

 環境・福祉・教育など船橋で活動する《まちネット・ふなばし》の協働事務所が店の隣に出来た。それぞれに活動の市民団体の交流、幅広い《まちづくり》運動拠点の誕生だ。

 船橋の街を知る【まち探検】というプログラムもあり、旧くからの染物屋が珍しいのか、我が家もコースに入っている。

 様々な方々がご来店されるが先日、若いミュージシャンが来訪。CDも出している[Tsuki No Wa]の皆さん。

 サックスとウッドベース、ボーカル。電子音も入る“たゆたうのような”音楽だそうだが、江戸小紋の「手拭い」に興味をもち、お買い上げ戴いた。

 「麻の葉・業平・カゴメ」など、縞や格子の素朴で粋な柄に関心が集まる。若人に『和』が新鮮のようだ。幾何模様の手拭が人気。

 “探検隊長”の要望もあり柄の説明を行う。麻の葉は六角形状に六つの菱形を結ぶ連続模様だが、麻は成長早くまっすぐのびる事にあやかり、子供の産着に使われる事なども紹介した。

 江戸小紋のルーツは武士の裃〈かみしも〉にある。江戸時代、将軍家をはじめ諸藩は裃に特定の柄を定めた。どこの藩の武士か一目で分かる。“制服柄”だ。

 江戸中期、庶民文化が花開き着物や羽織に「小紋」を染めるのが流行する。文字通り大紋に対する小型の文様。言葉としては平安時代から見られるが、普通は江戸の「小紋染め」のこと。
  動植物を抽象化や縁起をかつぐ柄。洒落た語呂合わせでは「鎌和奴=カマワヌ」が有名。鎌の形と輪〈丸〉と「ぬ」の字を組合せて『構わぬ』。
これから派生して「鎌と井桁と升」を配して『鎌井升=構います』があるから、江戸庶民の“遊び心”が楽しい。

 バリエーション豊か。バンダナにカッコイイと言っていた[Tsuki No Wa]。伝統工芸・小紋柄とファツショナブルな“セッション”観られるか。
船橋市民新聞 2002年 6/10発行 第44号